2026.06.26
2026年6月12日、神戸サンボーホールにて開催された「第8回 今すぐ使える!! IoT・AI・ロボット展」において、神戸市は独自ブース「神戸市・国際エリア」を出展しました。本取り組みは、成長分野において技術革新を進める海外企業と神戸市内企業とのマッチングを目指したもので、今年で5回目となります。
ブースには、ベトナム、ドイツ、韓国の外資系企業3社が参加し、それぞれが有する最先端のAI・ロボット技術を紹介しました。
展示会全体では約50社が出展し、実機デモも行われるなど、実践的かつ即時活用可能な技術に焦点を当てた点が特徴となっています。また、「神戸ものづくり中小企業展示商談会」との同時開催により、地域企業と国内外企業の接点が一層拡充されました。
本レポートでは、「神戸市・国際エリア」に出展した企業の具体的な技術や取り組み、当日の様子についてご紹介します!
German Bionic
ドイツに本社を構えるパワースーツメーカーGerman Bionicは、作業現場における身体負担軽減を目的とした先進的なウェアラブルロボット技術を展示していました。会場では、2025年夏より展開される第7世代モデル「Exia」が紹介され、最大38kgの重量支援と本体の軽量化を実現した点が来場者の関心を集めていました。従来は用途別に色分けされていた製品も、工場・介護現場双方で活用可能なグレイに統一され、幅広い分野での導入が期待されています。
特に、負担が集中しやすい腰部をサポートする点は、反復的な持ち上げ動作が求められる現場において重要です。防塵・防滴仕様により屋外や水回りでも使用可能であり、介護施設では浴室での介助にも対応できる実用性が示されていました。また、専用アプリとの連携により使用状況を可視化できるため、運用改善や投資効果の把握にも寄与します。
ブースでは試着を希望する来場者が多く、メディア取材も入るなど高い注目度を誇っていました。介護分野からの関心も強く、補助金を活用した導入検討も進められているそうです。さらに、学生の来訪も多く、グローバルに活躍したい人材との貴重な接点となったようでした。
MakinaRocks
韓国に本社を置くMakinaRocksは、製造業や産業現場に特化したAIソリューションを提供する企業で、昨年には東京拠点を開設するなど、日本市場への展開を加速させています。本展示では「PLC AI」「Vision AI」「DrawX」の3つのソリューションが紹介されましたが、特にAI図面活用ツール「DrawX」は来場者の関心が非常に高く、用意されたリーフレットがすべて配布されるほどの注目を集めていました。
DrawXは、図面の検索・比較・分析から意思決定支援までを一貫して行う点に特徴があります。形状や類似性をもとに「似た図面」を瞬時に検索できるほか、2つの図面の差分を自動検出し、微細な変更点まで可視化します。さらに、過去データをもとに見積金額や原価、受注可否の判断をAIが支援することで、営業や調達における意思決定の効率化と利益最大化に寄与します。従来は熟練者に依存していた判断プロセスをデータ化し、再現性の高い業務運用を実現できる点は、多くの製造業にとって大きな価値となりそうです。
また、PLC AIでは従来ブラックボックス化していた制御ロジックをテキスト化し、AIによる理解・分析・改善提案を可能にしています。既存設備の運用効率向上のみならず、新旧システムの移行期における橋渡し技術としても有効です。ブースでは具体的な商談も数多く行われ、西日本エリアでの顧客開拓に対する手応えも得られたとのことであり、製造業集積地である関西市場における今後の展開が期待されます。
DOSOFTPRO Japan
ベトナムの縫製メーカー発のスタートアップであるDOSOFTPROは、2021年の創業以降、AIやデータ分析を核としたDX支援をグローバルに展開しており、企業の競争力強化を支援する存在として注目を集めています。デジタル戦略の立案からアナリティクス、AI活用、システム開発に至るまで一貫したサービスを提供し、業務効率化や意思決定の高度化を実現する包括的なソリューションを強みとしています。
同社は製造業を起点としながら、製薬、航空、教育、ハイテク産業など多様な業界に対応しており、業界特化型のソリューションを通じて現場に密着したDXを推進しています。特に、IoTやデータエンジニアリング、AI分析を組み合わせたアプローチにより、複雑な業務プロセスの可視化や最適化を可能にしている点が特徴です。
2025年には神戸市内に日本法人を設立し、日本市場への本格参入を果たしました。神戸を拠点とすることで、地域企業へのデジタル技術導入を促進し、業務の最適化やデータ活用による付加価値創出への貢献が期待されています。
同社が特に重視しているのは、技術導入前のヒアリングプロセスです。現場の課題を丁寧に把握し、どの業務にデータ活用を適用すべきかを顧客とともに検討することで、最適なソリューション設計につなげています。また、戦略立案にとどまらず、その後のシステム実装や運用改善まで伴走する実行力も評価されています。展示ブースにおいても、来場者との対話を通じて具体的な課題を共有する場が多く設けられ、実践的なパートナーとしての姿勢が強く印象づけられました。
AIやロボット技術が単なる先進的な取り組みにとどまらず、すでに現場レベルでの課題解決に直結する実用フェーズに入っていることが実感できる展示会となりました。海外企業が有する高度な技術と、神戸のものづくり企業の現場力が結びつき、新たな価値が生まれていく。まさにイノベーションの最前線と呼べる場となりました。出展企業のみなさま、ありがとうございました。
