2024年10月10日、グローバルセキュリティエキスパート株式会社 取締役の三木剛さんが神戸市立工業高等専門学校（以下、「神戸高専」）で特別講義を行いました。
グローバルセキュリティエキスパート株式会社（以下、「GSX」）は、企業向けにサイバーセキュリティ対策に関する社員教育・エンジニア向け教育・コンサルティング・ソリューションをワンストップで提供しています。
今回の特別講義のテーマは「～サイバーセキュリティリスク研修～攻撃者の目的とその手段とは」。三木さんは、電子工学科3年生に向けて、サイバーセキュリティ対策を担う人材の必要性を、ときにユーモアを交えながらわかりやすく伝えていました。

ーー GSXは「サイバーセキュリティ教育カンパニー」

三木さんは、GSXを「日本全国の企業の自衛力向上を目指し、サイバーセキュリティ業界全域で事業を展開するサイバーセキュリティ教育カンパニー」と紹介しました。前身の時代を含め創業から40年、うち30年近くをサイバーセキュリティ業界で事業展開してきたGSX。「近年、急激にサイバー攻撃リスクが変化し、サイバーセキュリティに対するニーズが顕著に高まってきている。」とのこと。サイバーセキュリティ対策の重要性を事業者に普及するとともに、サイバーセキュリティを担う人材育成にも力を入れているそうです。

ーー 情報盗難から業務停止に直結する金銭目的のサイバー攻撃に。

サイバー攻撃により多くの企業がランサムウェア(※)被害にあっており、ここ数年で「業務停止」に直結する攻撃が主流になってきています。

「これまで、中小企業からは『狙われるのは大企業で、うちのような中小企業は狙う価値がない』という声もきいていた。しかし、いまや金銭目的で組織的に行われるサイバー攻撃は、あらゆる企業、医療機関、教育機関等が標的になっている。当社には、被害にあった企業から相談が、毎日のように寄せられている。」

三木さんは、サイバー攻撃やセキュリティ対応の現状を学生たちに語りかけました。

※ランサムウェア:システムをウィルスに感染させ、企業が保有するデータを暗号化することでデータを利用不可能な状態にした上で、それを元に戻すことと引き換えに金銭（身代金）を要求する不正プログラム。

ーー 企業、工場、製造品のそれぞれで対策が必要。もちろん個人でも

「CSIRT(Computer Security Incident Response Team)といわれる企業内におけるサイバー攻撃に対応する専門組織や、工場・製造品のセキュリティ対策が不可欠になっている。『常に攻撃されている』という前提の下、早く気づいて素早く対処するための仕組みと体制が必要になっている。みなさんのような専門知識をもった人材がサイバーセキュリティの分野で活躍する場が非常に沢山ある」と、企業の現状を紹介すると同時に、個人レベルでも、「IDとパスワードといったアカウント情報は価値が高い。パスワードの使いまわしは絶対に避けて。」と話しました。

ーー 学生からの質問

学生から「業界の知識はどうやって学んだか。」と尋ねられた三木さんは、「サイバーセキュリティの知識は、情報工学を学んでいる方が頭に入りやすい。しかし、ログ分析やコンサルティングなど、サイバーセキュリティの仕事は多様。何をするかによって必要な技術は異なるし、技術がなかったとしても参画しやすい業界だと考えている。ただ、ここにいるみなさんは情報工学を学び一歩リードしている。サイバーセキュリティ業界に入った場合は、専門人材として活躍できると思う。」と答えました。

ほかにも、「来年度、インターンシップに参加できるか。」という積極的な質問もありました。「もちろん可能。数年前から年間十数人の新卒採用をはじめている。東京勤務でスタートし、ゆくゆくは神戸に戻るということもできる。」と三木さんが応じると、学生たちの関心がいっそう高まったように感じました。

ーー 講義を受けて〜学生たちの感想

特別講義を受けた学生たちからは、次のような感想が寄せられました。

「始まる前は、サイバーセキュリティについてあまり知らず「とりあえずきいてみよう」というくらいの気持ちだった。話をきくうちに、サイバーセキュリティの中にもいろいろな役割があるとわかり、将来の選択肢のひとつになった。」

「サイバーセキュリティ業界で求められる資格やオフィス環境などを具体的に知る機会となり、インターンシップの情報も参考になった。」